内科治療の限界から根治への挑戦である心臓外科
100%の成功を目指して臨みます

心臓外科チームでは獣医師と動物看護師のコミュニケーションが欠かせません。なぜならば、心臓外科手術において、術者と助手、そして器具出し、麻酔、外回りなど様々なスタッフが常に連携しながら手術に取り組むことで手術が成功するからです。術者１人がうまくできてもうまくいく手術ではありません。また、術後の入院管理においても、その子の状態の共有や引き継ぎなどを行わなければなりません。そのため、獣医師や動物看護師は日頃からミーティングを重ね、手術に向けた準備を行い、麻酔に関しても外部アドバイザーを招き、勉強会を開くことで全員のスキルアップを行っています。心臓外科をスタートして５年以上が経ちましたが、成功率100%を目指し、チームで取り組んでいます。

グループを持つ1.5次病院だからこそ、
症例の取りこぼしを少なくし、強みを発揮します

脳神経外科チームでは勉強会などを通じて獣医師及び動物看護師で知識を共有しています。MRI画像は必須となりますので、画像検査を同時に勉強していく獣医師もいます。また、並行して各病院の獣医師や動物看護師向けに定期的にセミナーを開催することで脳神経についてさらに学んでいただき、各病院と連携して取りこぼしなく、症例の連携を行っています。脳神経外科症例は心臓外科同様に獣医師と動物看護師のコミュニケーションが欠かせず、最新の知識を取り入れながら、チーム一丸となり成長していきます。

年間300件以上の整形外科症例
専科の柱としてこれからも成長していきます

整形外科は小滝橋動物病院グループの専科医療の柱となりつつあります。整形外科は計画準備が非常に重要な分野で、近年では3Dプリンター骨モデルを利用した術前計画も行っています。整形外科症例は手術だけでなく、術後のリハビリまで含めてしっかり治療を行うことが大切です。そのため、整形外科チームの中にはリハビリチームも兼ね備え、チームで取り組んでいます。整形外科手術に対しても執刀できる獣医師が数名在籍しており、これからも育成していくことで、さらに高度なレベルに迅速に対応できるように整えていきます。

今まで人間の医療でしか行われていなかった手術が獣医療でも可能になりつつあります。また、動物の寿命が伸びたことで高齢に症例に検査・手術を行う機会も増えてきております。このような医療水準の向上に伴い、獣医療でも全身麻酔の重要性が見直されてきています。循環管理、呼吸管理、疼痛管理を通じて手術の前から後まで、全身状態を良好に維持するために、麻酔科医の果たす役割は大きいと考えます。重症例の麻酔には一定のリスクが伴います。加えて、飼い主様においても高齢であることや手術の侵襲度の高さから全身麻酔が難しいと考え、手術を断念する方も少なくありません。当グループではそのような患者様にも安心して安全に受けられる全身麻酔を提供しております。人医療における麻酔関連死亡症の割合0.01~0.05%と報告されている一方、獣医療における麻酔関連死亡症の割合は0.65~1.05%と報告されています。当グループの麻酔科は周術期における死亡症例を0にするためにより安全な麻酔管理を模索しております。また日常の麻酔だけでなく、心臓外科を始めとした開胸手術、脳神経外科手術、各種軟部外科手術など幅広い手術に参加し、グループ内の重症度の高い症例の手術において、科内で事前会議を行い、麻酔管理のプランニング・周術期管理を行っております。

年間約600例の軟部外科症例
最後まで諦めない、より多くの動物を救命するために挑み続けます

軟部外科は整形疾患、脳神経疾患以外の全ての外科疾患の手術を行います。我々軟部外科チームは、周術期におけるトラブルのリスクを少しでも回避すべく画像診断科、麻酔科と入念に計画を立て、迅速かつ安全に手術を行うことを目指しています。また多くの軟部外科症例を通して、将来の外科医を育成することに力を入れております。

近年では腹腔鏡を導入している動物病院が都市部を中心に増えています。飼い主様にも動物の痛みを軽減する考え方が広まってきていると感じ、腹腔鏡のニーズは高まりつつあります。腹腔鏡手術は術者１人では行うことができません。カメラで術野を映すスタッフ、臓器を寄せて視野展開をする助手、内視鏡装置の操作を行う外回り、状況に合わせる麻酔師などのスタッフが互いに連携して初めて手術が成り立ちます。まだ術式も発展途上の分野のため、チームでディスカッションを重ね、より良い手術ができた時にやりがいを感じることができます。腹腔鏡チームは日々トレーニングを重ね、動物の負担が少ない高度な手術を目指し、チーム全体で成長していきます。

画像診断（X線、CT画像、MRI、超音波など）は、犬の体内に隠れた病気やけがを発見するために用いられます。例えば、犬の骨折や関節疾患をX線やCT画像検査で診断することができます。また、腫瘍や内臓疾患、心臓の問題など、視覚的に確認できない内臓の問題を明らかにするためにも利用されます。また、手術計画にも非常に役立ちます。腫瘍を取り除くための外科手術を行う場合、CTスキャンやMRIによって腫瘍の位置や大きさ、周囲の組織への影響などを把握することができます。これにより、より精度の高い手術計画を立てることができ、手術の成功率が高まります。近年ではCT画像から3Dプリンタにより骨モデルを作成し、手術計画を立てることもあります。